市議団だより−議会&市政の報告
【09.10.15】トヨタのテストコース造成着工延期
環境調査を1年延長
豊田・岡崎両市域ですすめられているトヨタ自動車のテストコース造成の着工が1年延期されることになりました。
愛知県企業庁は10月7日、自然環境保全技術検討会を開き、建設予定地の環境調査を平成22年まで延長することを決定。そのため、同年に着手予定だった造成作業が事実上、1年先送りされることになりました。
アセス不十分なまま着工は許されない・・・党市議団指摘
日本共産党市議団は、平成20年9月議会でこの問題を指摘していました。大村市議は一般質問を通じて「税収をはかるだけの絵もかけていない、道路もはっきりしない、上下水もはっきりしない、これでどうやって準備書ができるんですか。こういう進め方で平成21年度末で環境アセスを完了するという事業計画になっている。こんな現在の進行状況で十分な環境アセスができるのか」と質問しました。
さらに、「環境アセスが不十分なまま『計画先にありき』で平成22年度からの造成工事の着工は許されないと思う。将来に禍根を残すことになると思います。この際、造成の着工時期も含めた計画の見直しが必要だ。」と意見を述べました。
この指摘通りになったということです。
レッドリスト30種も
同計画は県企業庁が660haの用地を買収・造成し、その後、トヨタ自動車が買い取り、テストコースや研究開発施設を建てるもの。造成完了まで約1750億円の総事業費が見込まれていますが、詳細は明らかにされていません。
県企業庁は4〜8月、造成予定地の里山などの環境調査を実施し、絶滅危惧種の「ミゾゴイ」の生息を確認。ミゾゴイは日本のみで繁殖が確認されている森林性のサギ類で、保全対策を検討するため、生息状況の調査を2010年も行うことにしたものです。予定地には、これまでもヤマネ、ニホンカモシカなどの国指定天然記念物やサシバなどレッドリストに指定されている種が約30種確認されています。昨年9月にはサシバやオオタカの保全のため、造成地域内の改変面積を3分の2に縮小することにしています。
県内の17の自然保護団体が加盟している愛知県野鳥保護連絡協議会は、県とは別に調査をしてミゾゴイの生息を確認。県企業庁とトヨタ自動車に対してミゾゴイの保護施策と同事業の撤回・見直しを申し入れていました。