市議団だより−市議団の主張
【10.12.03】2009年分の消費税還付金・・輸出大企業10社に8000億円
上位10社だけで消費税の還付金は8014億円…税理士の湖東京至さん(元静岡大学教授)が最新の各社の有価証券報告書から推算した「09年分消費税還付金上位10社」の結果です。還付金が一番多いのはトヨタの2106億円でした。2010年度の政府の予算書によれば、還付金は国の4%分と地方消費税の1%を合わせて3兆3762億円。この還付金額は消費税収入12兆475億円の28%に相当します。税収が足りないときに、どうして輸出大企業に還付金を払わなければならないのでしょうか。
○実態は下請け犠牲の補助
輸出還付金制度は「外国のお客さんから日本の消費税はもらえない。だからトヨタなどが仕入れの際に払った消費税分を返してあげるのだ」と説明されています。しかし、トヨタなど最終輸出業者は下請け企業に消費税を本当に払っているのでしょうか。経済取引では価格決定権をもっているのは常に親企業ですから「消費税分はまけとけ」と言われれば、その価格で納品しなくてはなりません。つまり消費税は、価格への転嫁が力関係で決まる不透明でいいかげんな税金ですから、下請けに払ってもいない税金を返してもらっているのです。
これは税制を使って輸出補助金をもらっているのと同じです。もし、どうしても還付したいなら、下請けにも還付すべきですが、それは実務的にできないとされています。
そのうえ同じ非課税でも、お客さんから消費税分をもらえない病院や医者の社会保険診療報酬には還付金はありません。ですから病院などは、診療材料や薬に含まれている消費税分を自己負担せざるを得ません。つまり病院やお医者さんは消費者と同じなのです。
ここでも還付のある輸出免税との間に不公平があるのです。
全国の税務署のうち消費税の還付金が消費税の税収を上回っている税務署、つまり赤字の税務署が13もあります。
赤字の税務署の1位はトヨタの本社がある愛知県豊田税務署です。(「商工新聞」11/15付より)