市議団だより−豊田のまちから

【12.02.17】病院減少 診療制限 愛知県が調査公表

  愛知県は昨年、県内の全病院を対象に調査した、6月末時点の診療科の全面休止、入院の休止・制限、分べん対応休止・制限、診療時間縮小など、医師不足を原因とした診療制限の状況を発表しました。

同調査は2007年度から毎年実施されています。

 県内では病院そのものが減少しています。病院数は07年6月末の338から11年6月末には328に、10院減っています。

 すべての診療科で診療制限をしている病院が増加。07年時点で26・4%の病院が診療制限をしていた産婦人科では26・9%となり、8・3%だった小児科は13・9%に、8・3%の精神科は13・5%まで悪化し、内科や外科も診療制限がすすんでいます。

 病院の約15%を占める公的医療機関(県市町村立、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、厚生農業共同組合連合会)は深刻で、全体の40%が診療制限を行っています。

 300〜399床の病院では65・2%が診療制限を行っています。

 入院治療が必要な重症患者に対応する第2次救急病院は4年間で113から97に減りました。重症患者への救急対応が難しくなっています。

県内の医師不足による病院減少や診療制限の背景には、国や愛知県の医療費抑制政策があります。

 この間、愛知県が音頭を取って一宮市の県立病院をはじめ、公立病院が次々に廃止や民営化されました。

 
愛知県 医師確保予算 全国最低レベル
愛知県の医師確保対策は全国最低レベルです。2009年度の医学部生向け奨学金予算はわずか10人分の1974万円。貸与実績は5人にとどまりました。11年度は、貸与予算を16人分に引き上げましたが、大差はありません。

 静岡県の同予算は2億9520万円(123人分)、岐阜県は1億2922万円(93人分)、三重県は1億7254万円(125人分)で、愛知県の貧弱さが突出しています。研修医向けの奨学金を予算化している府県は23ありますが、愛知県はありません。

 大村知事就任後、県は救急や産科医療を担う医師支援、産科医師養成や小児科医師支援のための救急勤務医等支援事業補助金を大幅に削減(10年度3億660万円を11年度1億990万円)しました。

 削減理由は、10年度の執行実績が1億1423万円なので2億円で事業はできるというもの。大村県政は、大企業が求めるインフラ整備のために、医師確保予算をバッサリ削っているのです。

大村知事は、県の調査結果を直視し、貧弱な医療行政を抜本的に充実するべきです。

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