市議団だより−豊田のまちから

【16.11.03】あぶり出した長時間労働大国

過労自殺 残業上限規制待ったなし

 広告最大手、電通での過労自殺事件は、長時間労働大国、日本の姿をあぶりだしました。10月30日のNHK日曜討論でも、政党の政策委員長がこの問題をめぐって論議しました。
 日本共産党の小池晃政策委員長・書記局長は、「本当に痛ましい事件」とのべたうえで、残業の上限は大臣告示で月45時間、労働基準法36条の「36協定」(労使で決める)の特別協定で、電通では月70時間になっていたものの、過労自殺した女性は月100時間を超えていたと指摘しました。
 そして、「こともあろうに、厚労省はこの電通を、時間短縮の優良企業として、新“くるみんマーク”というのを認定しているんです」とのべ、2013年に認定した時の厚労大臣は、討論相手の田村憲久政調会長代理だったと指摘しました。
 田村氏は、「反省する」とのべざるをえませんでした。小池氏は、電通事件が2度と起こらないようにするためには、労基法に「残業は年間360時間以内、月45時間以内」と明記すること、「36協定」の特別条項は廃止するべきで、「これは待ったなしでやるべきです」と主張しました。
◆公務労働でも平均残業時間が多い職場で1人あたり519時間
 豊田市では、正規職員が行った年間の残業時間は36万6743時間に達していた事が、9月議会の答弁によりわかりました。特に、1番多く残業を行った職員は年間1204時間、平均残業時間が多かった職場では1人あたり519時間に達していました。
 電通では、今回の過労自殺事件の労災認定をふくめ、これまで3件の過労死事件が起きています。トヨタ自動車では、わかっているだけでも5件の過労死認定があり、現在も裁判で争っているのが1件、関連会社で1件あります。
 トヨタの36協定を改めて見てみましょう。1カ月は45時間ですが、絶対限度時間(特別協定)は、電通より長い80時間(年間6回まで)になっています。年間では360時間ですが、絶対限度時間は生産部門で600時間、その他で720時間になっています。
◆残業上限360時間の法律の規制を
 日本にはフランス(1日2時間まで)などと違って残業の上限を法律で規制していないために、「36協定」で事実上、青天井で残業ができます。たとえば、1カ月で関西電力が193時間、三菱自動車が160時間、ソニーが150時間、東芝が130時間…などとなっています。1カ月45時間、年間360時間を法律で規制していたならば、電通やトヨタでの過労死事件は起こらなかったはずです。残業時間の上限を法律で規制することは「待ったなし」です。(日本共産党トヨタ自動車委員会ブログ「トヨタで生きる」より転載・編集)

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