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【07.02.18】トヨタ包む1600人の声

トヨタ総行動 大企業の社会的責任もとめて

「トヨタはボロもうけを社会に還元せよ」…トヨタ自動車の本社や工場を十二日、約千六百人の唱和が包みました。全労連や愛労連などの実行委員会による二十八回目の「トヨタ総行動」。
 「二兆円もの営業利益を見込むトップ企業による賃金抑制や非正規雇用の増大、過酷な単価切り下げは許せない」と各地から労働者や中小業者、大気汚染公害患者らが参加しました。
 トヨタ総行動には、八田ひろ子前参院議員、大村よしのり市議、根本みはる党市女性部長らが参加しました。
終日の行動で、「トヨタは正社員を増やせ」「公害裁判の全面解決にイニシアチブを果たせ」と訴え、本社要請や宣伝、集会が行われました。
 市内山之手公園で開いた集会では、全労連の小田川義和事務局長と愛労連の羽根克明議長が「トヨタが社会的責任を果たさずにいることが、他の企業にも影響し、貧困にあえぐ労働者をつくり出している」と訴えました。
 トヨタ高岡工場で働く男性(59)は、下請けへの過酷なコスト削減と低賃金の若者の犠牲の上に築いたボロもうけだと告発。東京大気汚染公害訴訟の西順司原告団長(74)は、トヨタら被告企業が謝罪と損害賠償を拒んでいると批判し、全面解決を求めました。
 トヨタ系列会社で昨年、労組を結成したJMIU(全日本金属情報機器労組)組合員の男性(55)は初の春闘。「十二時間の二交代で月七十時間の残業をしても、生活は楽にならない。残業しなくても生活できる賃金にしたい」と語りました。
 二十代でぜんそくを患った東京大気汚染訴訟の原告の女性(63)は、「入院のたびに仕事を辞め、発作の苦しみに自殺も考えたこともある。トヨタは謝罪してほしい」と話していました。
 
トヨタ総行動には、徳島県藍住町にあるトヨタ系列の光洋シーリングテクノで昨年、偽装請負をやめさせて直接雇用を実現させるたたかいの先頭にたってきた矢部浩史さん(42)の姿がありました。
 非正規労働者はトヨタ本体で約八万四千人の従業員の二割強を占め、下請け企業ではさらに四割―五割を占めるまでになっています。
 矢部さんたちJMIU徳島地域支部では、直接雇用を実現したものの「年収二百万円では暮らしていけない」として、賃金の大幅引き上げを求めてたたかっています。
 「うちでつくる部品の単価も二割減らされました。トヨタは違法な偽装請負には目をつむり、単価を買いたたいて利益を吸い上げている。こんな無法は許せませんよ。トヨタはまず自ら、ボロもうけを労働者や下請けに還元すべきです。子会社や下請け企業が労働者の生活を守ることなど社会的責任を果たしていけるよう、親会社として責任を負うべきです」
 
 トヨタ総行動の集会には、堤工場で働いていた夫の過労死認定を求めて名古屋地裁に提訴している内野博子さんが訴えました。「トヨタは本来の業務以外の仕事があまりにも多すぎます。こうした活動が1兆円の利益につながっているのです。自主的な活動と言っているけれども、世界に広がる『カイゼン』活動は、違法なサービス残業です」と力を込めて訴えると、場内から大きな拍手が送られました。
(記事は日刊『赤旗』)より)


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