市議団だより−議会&市政の報告

【09.09.15】中小企業支援重視の新条例を検討

大企業に偏った奨励補助金、条例は来年3月で期限切れ

   9月市議会で、日本共産党の根本みはる市議の一般質問に対して、市産業部長は、産業立地奨励条例を改めて、中小企業支援の新たな制度を検討するという答弁を行いました。
 日本共産党市議団は、これまでの産業立地奨励条例の問題点を繰り返し指摘してきましたが、一歩前進と言える方向です。

◆奨励金の8割が大企業に金額は7億4千万余にも
 現在の産業立地奨励条例が議会に提案されたのは、10年前の1999年9月議会でした。当時、日本共産党の大村市議は、この条例が大企業優遇に拍車をかけるものだと指摘。「雇用問題の最大の原因は大企業のリストラ」だとして「優遇措置をとるべきは、まずこれまで豊田市を支えてきた下請中小企業にこそ行われるべきだ」として反対しました。
 その後の経過はどうでしようか。根本市議が、この奨励金は、昨年度何社にいくら払われ、そのうち、大企業にはどのように払われたかと質問すると、答弁では、43社に9億3200万円。そのうち、大企業は12社で7億4900万円というものでした。実に、奨励金の8割が大企業に払われたものでした。
日本共産党市議団の要請にもとづいて提出された平成20年度の奨励金実績資料によれば、トヨタ自動車1社だけでも、5億2千万円余。その他、トヨタ車体、アイシン精機、トヨタ紡織、大豊工業など名だたるトヨタ系大企業の名前が並んでいます。結局、当初の指摘どおり、大企業に偏った「補助金」という性格のものであった事が明らかになったものです。
 
◆奨励金を中小企業支援にあらためるように提起
 「産業立地」という名前が条例につくぐらいですから、本来、豊田市以外からも新しい企業を呼び込もうという趣旨のはずです。ところが、現実は、従来から地元で操業する、それも、大企業にほとんど奨励金は払われていました。
 日本共産党の大村市議は、この奨励金の交付企業名と金額を明らかにするように、毎議会でただしてきました。確認された各年度の実績は以下のとおりです。
 ・平成17年度…奨励補助金総額: 7.5億円、その内トヨタ1社分4.6億円
 ・平成18年度…奨励補助金総額:11.9億円、その内トヨタ1社分7.2億円
 ・平成19年度…奨励補助金総額:12.0億円、その内トヨタ1社分6.9億円
 ・平成20年度…奨励補助金総額: 9.3億円、その内トヨタ1社分5.2億円
 奨励金のうち、トヨタ自動車1社だけで5割から、多いときには6割を超えるような状況です。これで、果たして産業立地奨励にふさわしい施策といえるでしようか。
 根本市議の一般質問で、このような産業立地奨励条例をあらためて、中小企業支援に補助金を使うように提起しました。
 大企業に偏った奨励金のあり方を繰り返し指摘し続けてきた日本共産党市議団の論戦と、不況下で苦しむ中小企業への支援を機敏に取り上げた建設的提案が、今回の市の答弁に結びついたものと言えるでしょう。

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