市議団だより−豊田のまちから

【14.05.29】トヨタの自社株取得金額は1兆円超

企業の社会的責任は果たせるのか

  トヨタの株主の関心事は、連結利益剰余金12兆円など株主資本がどれだけ利益を生んだのかという、いわゆる株主責本利益率(ROE)の上昇です。ところがトヨタのROEは低迷しています。利益剰余金が余りに大きいからです。
 そこで株主価値重視が強調され、非正規切りや単価切り下げなど、なりふり構わぬコストカットが戦略として追求されてきました。しかしそれにもかかわらず、株価が低迷するので、資本金を上回る大規模な自社株買いが要求されるようになりました。
 自己株式の取得は株価操縦につながるとして禁止されてきました。しかし、2001年商法が改正され、解禁されました。それを受けてトヨタは大規模な自社株買いを展開してきました。自己株式を取得すれば株主資本が減少することによって、株主資本利益率が上がり、株価上昇が期待できるからです。
このトヨタの例にみられるように、日本の大企業ではこの間、自社株の取得は、配当と同様に株主還元政策として考えられ、純利益に占める配当及び自己株式の総額を「総還元性向」と称し、企業の株主還元の目標値として導入されていきました。
 しかし、このような「株主利益第一」主義に終姶する姿勢では雇用を破壊するだけで、内部留保の社会的還元など、社会的に公正な成果の分配など、企業の社会的責任を果たせません。

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