市議団だより−豊田のまちから
【15.12.01】トヨタ関連企業で無くならない過労死
アベ政治なくならない過労死
厚生労働省の主催で開かれた「過労死等防止対策推進シンポジウム」で、トヨタ自動車の関連会社で働き、過労死した夫について訴えた三輪香織さん(38)やトヨタ堤工場で過労死した夫の労災認定を裁判で勝ち取った内野博子さんらが訴え、報告しました。
香織さんはシンポジウムで、「夫は仕事に命を奪われました」とのべ、家族が苦しむ過労死をなくしてほしいと訴えました。香織さんは現在、裁判闘争中です。今年2月11日のトヨタ総行動でも訴えました。三輪香織さんの夫の敏博さん(死亡当時37歳)は、トヨタテクノクラフト(本社・東京、トヨタが100%出資の子会社)の関連会社、テー・エス・シー(同社の100%出資の子会社)のチームリーダーでした。敏博さんのおもな仕事は、トヨタの救急車の防振ベッドの組立・仮装でしたが、連日、プリウスの試作現場へ応援に行くなど多忙をきわめていました。
亡くなった2011年は、東日本大震災のばん回生産で、節電を理由にトヨタと関連会社は7〜9月まで木金休み、土日出勤という変則勤務を実施しました。
敏博さんの生活リズムは大きく崩れ、同年9月27日、自宅で虚血性心疾患で亡くなりました。
遺族は11年6月に豊田労基署に労災申請したが認められず、処分を不服として愛知労働者災害補償保険審査官や国の労働保険審査会に審査請求しましたが、いずれも棄却されたため、提訴しました。連合愛知(52万人)には、全トヨタ労連やトヨタ労組が加盟する自動車総連が加わっています。三輪さんは、トヨタの関連会社で働いていましたが、トヨタ労組は、「過労死ゼロ宣言」をしています。連合愛知をはじめ労組は、香織さんが裁判で労災認定されるよう支援をすべきです。
一方、安倍政権は、1日8時間・週40時間の労働時間制を崩し、残業代をゼロにするとともに過労死をいっそう増やす”高度プロフェッショナル制度”を狙っています。最初は、一部の労働者だけを対象にするかのように装いながら、厚労省の「省令」でいくらでも増やせることを狙うものです。日本は、毎年300人ほどが過労死の認定を受ける異常な過労死大国になっています。
(トヨタ自動車党委員会ブログ「トヨタで生きる」より編集)