市議団だより−豊田のまちから
【15.12.01】横浜市・長岡市・飯田市を訪問
日本共産党市議団 行政視察報告
日本共産党豊田市・みよし市議団(大村よしのり、根本みはる、牧田みつお各市議)は、11月10日から12日の3日間、行政視察に出かけました。
12日は神奈川県横浜市で「よこはま若者サポートステーション」、13日は新潟県長岡市で「高齢者総合ケアセンター こぶし園」、14日は長野県飯田市で「自然エネルギーの普及とNPОとの連携」について視察しました。
党市議団による視察報告をお伝えします。
◆ひきこもり・無業の若者に寄り添ってサポート…横浜市
運営を担当しているNPО法人「ユースポート」の綿引幸代理事長からお話しを聞きました。
横浜市がこの施策を推進するきっかけとなったのが、「市内の若者実態調査」にあるという事でした。「ひきこもり状態にある若者の推計人数は約8000人」「無業状態にある若者の推計人数は約57000人」。市当局も、調査結果に驚いたと言います。
そこで、「よこはま若者サポートステーション」を設置し、若者に対する就労支援やニート・ひきこもり相談事業にとりくむ事になりました。対象は、15歳から39歳、厚労省が対象としていない「学生」も対象としています。H26年度781人の登録者に対して441人が進路決定につながりました。若者に寄り添った親身な相談体制と多様な研修プログラムが印象的でした。
施策の推進のために、市独自の財政支援が大きな力を発揮している点、「実態把握のためのアンケート調査」などは、ぜひ豊田市でも検討しなくてはならないと思いました。
◆24時間・365日の連続ケアを地域、在宅で…長岡市
高齢者総合ケアセンター こぶし園の吉井靖子施設長にお話しを聞きました。
こぶし園は、長岡市内に18のセンター・施設を設置し、職員547名で24時間365日連続するケアを提供する地域包括ケアを実施しています。
政府は、介護施策の軸を「施設から在宅へ」移行させようしていますが、豊田市も含めて多くの自治体では、その受け皿がなく、「介護難民」が溢れる心配が増大しています。そのような中で、実際に、重度の要介護の高齢者を在宅介護でケアできる仕組みが本当に作られているのか。行政視察の目的の中心はそこにありました。
「多くの高齢者が施設入所を嫌がり、住み慣れた家で介護されたいと願っている」として、当初、100床でスタートした特養ホームから入所者を地域に返すために、小学校区くらいの単位ごとにサポートセンターをつくり、そこから24時間365日の訪問介護・訪問看護、配食サービスを行ってきました。ショートステイやデーサービス、小規模多機能型居宅介護などの機能も備えたセンターも増やして対応できるようにしているとの事でした。
大村議員が、「自分の母も要介護5で91才の父が在宅で老老介護をしている。母一人になったら、施設入所しかないと悩んでいるがどうか?」と質問すると、「施設入所では、介護士や看護師が一定時間に巡回して介護や食事、入浴介助を行い、体調管理を行っている。私達は、在宅でも、施設と同じことができるように整えてきた。そうすれば、要介護5でも在宅でできますよ」と述べて、そういう地域包括ケアシステムをつくるように頑張ってくださいと言われました。
最後に経営問題と介護職員の確保について質問すると、「経営は赤字です。利益をあげる事を目的にしていませんが、経営が成り立つ努力は必要だと考えています。職員の確保は、『やめない』ための対応に努力しています」との事でした。こぶし園の実践に圧倒される思いをした視察でした。
◆一般家庭に太陽光パネル「おひさま0円」で…飯田市
飯田市の環境モデル都市推進課職員にお話し聞きました。
飯田市では、自然エネルギーの普及について、NPОとの連携事業をすすめています。特徴的なのは、「おひさま0円システム」。市民の一口10万円の出資を募ってつくられた市民ファンド「おひさま進歩エネルギー」と市の共同事業で、一般家庭の住宅の屋根に太陽光パネルを設置していきます。市民ファンドは、希望する家庭に無償で太陽光パネルを設置、設置した家庭では電気代が安くなり、余剰分の売電はファンドに支払われ、10年後にはパネルは家庭に無償譲渡されるという仕組み。同じ考え方で、公共施設の屋根にも、市民ファンドが設置しています。このシステムで、普及がいっきに拡大しているとの事でした。