市議団だより−豊田のまちから
【16.07.21】大規模展示場で349億円 一方、無資格の保育士に改悪
6月県議会問題の議案
6月県議会に提出された補正予算に「大規模展示場の整備」のための349億円が計上されました。日本共産党県議団は、問題点を指摘して反対しました。
この、大規模展示場は、2020年の東京オリンピック、パラリンピックで首都圏の会場が使えないためその受け皿として、中部国際空港の空港島に整備されるというものです。整備を2019年の開業に間に合わせるために、設計と施工を一括発注するデザインビルド方式で行うものですが、デザインビルド方式には、設計・建設業務が“業者丸投げ”となり、工事の内容について発注者のチェックが効かず、追加工事などにより事業費が膨れ上がる危険性も指摘されているなど、公共事業のあり方としても大きな問題がある手法です。
さらに、運営収支の積算も不明確です。千葉県幕張メッセが、結果的に赤字になって県が財政支援しているように、愛知県も同じ道を歩む可能性があり、県民の税金が湯水のごとく注ぎ込まれていくとのではないかという問題があります。10年20年と県が負担を負う恐れのある大規模展示場には賛成できません。
◆保育園の保育士配置を条件付きで無資格者でもできるように改悪
6月県議会には、保育園における保育士の配置基準を緩和する条例が提案され、日本共産党県議団は反対しました。
この条例は、保育士不足を理由に、国の基準緩和に従って県も、保育園の配置基準を「朝、夕などの児童が少数となる時間」は、最低2名のうち1名を「1日につき8時間を超えて開所する保育所」などでは、配置基準などにより必要とされる数の3分の1以内は、保育士と同等の知識及び経験があれば、無資格でもよいとしています。
しかし、無資格者で保育をするというのは、子どもの命や安全を粗末にして、保育の質を後退させることになります。また、子どもたちの一日一日の発達の保障ができなくなってしまいます。
県は、国の規制緩和に従って、質を後退させる保育に変えてしまうのではなく、子どもたちの命や安全を守るために、保育の質確保と、お母さんたちが安心して子どもたちを預けられる環境をつくることこそ、本来の仕事のはずです。この条例も、日本共産党県議団以外、他のすべての会派の議員の賛成で可決されてしまいました。今後、市議会や市民運動で、保育の質を確保するたたかいが必要です。