豊田市の少人数学級 まずは小4の35人学級を

豊田市の少人数学級 まずは小4の35人学級を

投稿 もと小学校クラス担任として

 私は現在、再任用として小学校に勤めていますが、現職の時は、45人のクラス、そして22人のクラス担任をしていた経験があります。

 45人のクラスでは、採点、成績付け、家庭訪問など、とても大変でした。廊下に2列に並んだ時、後ろのほうの子どもの顔がよく見えないくらいでした。

 一方、22人のクラスの時は、授業中、子ども達の様子がよく見え、話をする時も、一人ひとりの目を見て語りかけることができました。机の間を回って指導する時も、ほとんどの子に声をかけることができました。子ども達一人ひとりの性格や友達関係、学習や生活の様子などがよく分かりました。子ども達同士も仲が良かったように感じました。

分散登校で 少人数の良さ実感

 昨年、新型コロナで一斉休校になり、その後、分散登校が始まり、通常の半分、あるいは3分の1程度の子ども達で授業が行われました。全員がそろわない寂しさはありましたが、子ども達は落ち着いて授業に取り組み、担任の先生に、よく話しかける様子が見られました。先生たちも「人数が少ないといろんなことがスムーズに進むし、子ども達の様子がよく分かる。余裕ができる。やっぱり少人数がいい。」と話されていました。

 豊田市は、小学1年生が32人以下で、小学2年生と3年生と中学全学年が35人以下です。中学校が35人なのに、なぜ小学4年生から6年生が40人なのか、とても矛盾を感じます。多くの教員は小学4年生の35人学級を強く求めています。

 豊田市は、試行として30人学級をやるということですが、その前に4年生の35人学級をまずやってほしいと思います。

国の予算を 35人学級の前倒しに

 やっと国としても、小学2年生から順番に35人学級にすることが決まりました。愛知県や豊田市は、すでに小学2年生は35人学級ですから、国のその予算をスライドさせて小学4年生の35人学級を実施してほしいものです。

 海外では、30人どころか、25人や20人学級が当たり前です。30人以下で初めて大きな教育効果が出てくるという研究者もいます。

 今は、以前と比べて様々な子ども達がいます。コロナ感染の心配もあります。子ども達のすこやかな成長のためにも、そして教員の超過密労働改善のためにも、少人数学級の拡大を更に進めていくことが、今こそ求められていると思います。