豊田市議会の12月定例会が23日に閉会しました。
12月定例会に提出された議案についての日本共産党豊田市議団の見解は下記のとおりです。根本みはる市会議員が最終日に本会議場で討論を行いました。
提出された議案や議決結果の一覧は「豊田市議会ホームページ」をご覧ください。
12月豊田市議会定例会 議案討論 根本みはる 2019年12月23日
私は日本共産党豊田市議団として、議案及び請願について、通告に従い討論を行います。
まず、議案125号 豊田市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例および、議案127号 豊田市事務分掌条例の一部を改正する条例について、反対の立場で討論をおこないます。
市長権限の特例を定めるにあたって、教育の政治的中立性、継続性・安定性の確保や住民の意見の反映、学校教育との連携は、最優先されるべきと考えます。これが明確と確認できず、教育委員会の関与は「条件」とされていない点において、問題であり、反対の討論とします。
議案129号、および議案130号について、一括して反対すべきとする討論を行います。
議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例、特別職職員の給与を定める条例の一部を改正する条例であります。議員と特別職の期末手当については報酬審議会で審議を経ていないため、その引上げの根拠となるべき検討は十分されていない点に加え、市議会議員の報酬額は本年4月に増額されたばかりであります。内閣府が6日発表した10月の景気動向指数は前月比5・6ポイント低下、実質消費支出は5・1%減少、どちらも2014年4月の8%への消費税増税直後を上回る落ち込みを示しました。このような景気悪化に加え、消費税増税や社会保険料など負担増が続いている点から、議員と特別職の期末手当を引き上げる本議案には、市民の理解が得られず、反対すべきであります。
議案131号 豊田市学校給食センター条例の一部を改正する条例について、反対すべきとする討論を行います。
北部給食センターがPFI方式によって建築から管理運営まで民間事業者により、新たに設置されます。そもそも教育部門は採算性や利益を追求すると、その事業自体がゆがんでいく危険性があり、とりわけ民間委託される事業運営の大部分は職員の人件費であり、コスト削減で労働者の賃金水準や労働条件が変わるとすれば、問題であります。
さらに、民間委託化は、労働者の有期雇用化、非正規化への置き換えをもたらし、官製ワーキングプアの増大となれば、業務の効率化を目的とする民間委託が、市民にとってサービスの低下を招くという、大きな矛盾と自治体の危機をもたらす弊害から、本議案には反対すべきであります。
議案133号 豊田市幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について、反対すべきとする討論を行います。
幼児教育・保育の職員の資格要件の緩和の特例措置が、第9次地方分権一括法により延長となった経緯と合わせ、本条例は幼保連携型認定こども園への移行を進める国の狙いに沿った改定内容であり、反対すべきであります。
議案134号 豊田市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について、反対すべきとする討論を行います。
子ども子育て支援法により設置・運営がされる家庭的保育事業では、市は「必要な保育を」「確保するための措置を講じ」る扱いでありますが、すべての子どもが必要とする保育の保障は、市の保育実施義務を明確にした保育所の設置でおこなうべきことを申し上げ、反対すべき討論といたします。
議案136号 令和元年度豊田市一般会計補正予算について、反対の討論を行います。補正予算のうち、債務負担行為補正、市税等納付催告・窓口業務委託事業についてであります。
この委託事業により、個人情報が民間事業者に渡り、納税・滞納状況も把握され、個人情報保護の点で危険であります。市の職員には法的にも守秘義務がある一方で、民間委託事業者には、その法的義務は課せられず、すでに税の窓口業務を委託化した地方自治体での情報漏えいの事例が問題となるなど、その危険性をはらんでおります。先に述べております、民間委託の弊害を訴え、反対すべき討論といたします。
議案146号 財産の取得について(豊田市立豊田特別支援学校調理場建物及び付帯施設)については、賛成の立場で討論をおこないます。
豊田特別支援学校の給食を、愛知県が示している6段階の形態に対応するための調理場とランチルームの整備により、児童生徒の個々の状態に合わせた給食が、学校の施設内で、毎日安全に提供できる点を評価し、賛成の討論といたします。
議案147号 指定管理者の指定(豊田市中央図書館)について、反対すべきとする討論を行います。
次期指定管理料における人件費が、質疑で明らかにされない点。現在の指定事業者の収支決算書でも、人件費については公開されず、議会でも明らかにされていない点では、次期指定図書館職員の安定的な雇用・定着を担保する重要な内容が不透明なまま、指定管理を続けることになり、問題であると言わざるとえません。
また、次期指定期間を5年間とする指定でありますが、4年目の総合評価を除き毎年度の評価結果は公表されないとのことであり、図書館の評価については、専門家を含めた評価委員会で、客観性・透明性のある評価項目を設定し、年度ごとに公表すべきと考えます。
加えて、「図書館には指定管理はなじまない」とした総務省の提言を踏まえ、市直営に戻すことも視野に入れた豊田市の図書館政策を、行政と市民の意見で作ることが必要であることを申し上げ、反対すべき討論といたします。
議案148号および議案154号 指定管理者の指定、豊田市西部体育館及び豊田市逢妻運動広場、及び、井上公園水泳場については、同趣旨であり一括して、反対の立場で討論をおこないます。
営利を目的とする民間会社を公募により選定して、管理運営をゆだねる方法が広がっている中、総務省の全国の指定管理制度の導入状況の調査以降も、事故や指定取り消しの事例が続いております。この実態から、公の施設において、一層の労働者の賃金・雇用条件の不安定化を招く危険から、本議案に反対の討論といたします。
議案155号 豊田市子ども総合計画の策定について、反対すべき討論を行います。
第3次子ども総合計画のうち、「子ども・子育て支援事業計画」では、保育の提供体制には位置付けられない企業主導型保育事業に、待機児童の受け入れを期待するという答弁があり、これまでも指摘しているように、公的保育の拡充で待機児童対策をおこなうべきであります。また、放課後児童クラブで、今後、増加が見込まれる参加児童に対応できる支援員の確保に、市が責任を持つべきことを申しあげ、本議案に反対の討論とします。
最後に、請願2号 介護・福祉・医療など社会保障の施策拡充についての請願書について、紹介議員として、請願に賛同し賛成する討論を行います。
請願者は、介護・福祉・医療などの社会保障施策全般に関して、地方自治法第1条にうたわれている住民の福祉の増進という自治体の役割を担う施策の拡大と、国・県に意見を表明することを求めております。 国民健康保険税について、県単位化に伴い、制度上、所得に対する負担率の高い保険税の引き上げが、加入世帯へのさらなる負担となっています。均等割の軽減を含め、市及び国、県に市民負担の軽減に向けての対応を求めることは、必要な要望であると訴えるものであります。
とりわけ介護保険や医療の負担増に苦しむ高齢者の暮らしの実態から請願項目に挙げられている各項目の改善は早急に対応が求められると考えます。
ことし40回目を迎えるキャラバン要請行動は、これまで住民の暮らしを守る施策拡充を市町村に要請し、多くの要望が実現されてきました。また、要請行動を重ねる中、国の制度改悪について自治体からの意見が反映されたことも住民自治の前進であります。
以上の点から、議員各位のご賛同で請願を採択されるように心から呼びかけて、賛成討論といたします。
以上で討論を終わります。