市議団だより−豊田のまちから
【07.08.19】トヨタテストコース建設を考える なぜ行政が大きな支援を?
トヨタ自動車のテストコース開発について、愛知県、豊田市が全面支援することになっています。経過を振り返りながら疑問や問題点をみてみましょう。
(1) 過去、昭和62〜3年に同じ下山地域をトヨタが買収しようとしましたが実現しませんでした。2005年に、その下山村も豊田市に合併して、新市として全面支援する事になりました。この合併「型」は、上郷工場、高岡工場建設のケースと同じ流れです。
今回は、トヨタと豊田市、岡崎市が愛知県へ要請して、県の企業庁が造成することをきめた事になっています。「民でできるものは民で」という言い分で行政は福祉・教育を削ってきたのに、その一方で1社の研究施設のために、多額の税金を支出することに、公共性を見いだせるのでしょうか。用地交渉には、市の職員が100人体制で出向く事になっています。これを公務と言えるのか、また、業務に支障が出ないのでしょうか。
(2) 豊田市はトヨタ支援をいつ決めたのでしょうか。このテストコースに併設する研究施設には、5000人が勤務するとされています。その多くは、通勤で通うとされています。移動する新たな交通量が発生します。コンパクトな都市づくりや、職住近接の考えが無いのではないでしょうか。
(3) 周辺の道路の整備が必要です。水道は高橋地区からポンプアップすることになります。職員の応援、法規制の許可手続など様々な作業に伴う財政支出。いくら必要になるのか、市として明確にすべきです。基本的には周辺整備も開発者が負担すべきではないでしょうか。
(4) この世界的企業は高収益をあげていますが、その利益の源泉は、期間工、派遣、請負、外国人などのワーキングプアや下請けなどの単価切り下げに負うところが大です。愛知県は、県の産業振興にとって必要としていますが、地域経済のバランスや地元雇用、地域への還元が不明確です。
(5) 愛知県は万博会場、周辺整備と中部国際空港の前島開発などで四兆円近くの累積借金があります。しかも福祉政策を後退させています。中部空港の前島開発は空き地が一杯です。テストコースを造るのなら、なぜ、この「空き地」を検討しなかったのでしょうか。
◆下記写真 下山の現地調査をする党市議団