市議団だより−市議団の主張

【10.02.02】東海3県過去最高の倒産件数−−内需主導の経済への転換を

建設 最多  自動車 高水準

帝国データバンク名古屋支店が12日発表した2009年の東海3県の倒産状況(負債1000万円以上、私的整理を除く)は、倒産件数が前年比24・2%増の1010件となりました。
民事再生法の適用や破産申請など「法的整理」に絞った現行の集計方法でデータを取り始めた05年以降では初めて1000件を超えました。負債総額は6・4%増の3477億5900万円。

◇従業員30人未満の小口倒産9割
業種別に見ると、「建設」が243件と最多で、次いで「製造」(196件)、「小売り」(179件)が続きました。製造業では、09年前半の自動車の大幅減産の影響で「自動車関連」の倒産も高水準で推移しました。
要因別には、販売不振などの「不況型倒産」が44・1%増の833件と急増し、倒産件数全体の82・5%を占めました。また、「従業員30人未満」の中小・零細企業の倒産が全体の9割を超え、小口倒産が増加している現状も浮き彫りとなりました。

◇倒産「高止まりが続く公算が大きい」と
今年の見通しについて、帝国データバンク名古屋支店は「国の支援策で、中小・零細企業の資金繰りは一時的に改善している」としながら、「東海の主力を占める製造業の下ぶれリスクは山積している」と指摘。
2010年の倒産件数は「高止まりが続く公算が大きい」との見方をしています。  

◇深刻な雇用情勢が続く愛知の状況
 愛知の雇用情勢は、深刻な事態が続いています。
2009年7〜9月期の愛知県の就業状況をみると、労働力人口は402万4千人、就業者数は382万2千人となり、前年同期に比べ労働力人口は5万7千人(△1・4%)、就業者数は14万7千人(△3・7%)それぞれ減少しました。
また、完全失業者数は20万1千人になり、前年同期に比べ、8万8千人(77・9%)と大幅に増加しました。
完全失業率は5・0%で、前年同期に比べ2・2ポイントと大幅に上昇しました。

◇鳩山内閣…経済を建て直す「戦略」がない
 鳩山内閣の対応は、場当たり的で、暮らしと経済を立て直す“戦略”が見えてきません。
 失業問題では雇用保険の機能強化に取り組むとしていますが、最悪の就職難の中で失業給付の期限が切れて途方にくれる人が次々生まれています。雇用保険の積立金を活用して、直ちに「全国延長給付」を発動すべきです。
 中小零細企業への緊急支援では、10年前の不況のときに実施した「貸し渋り特別保証」のような、全業種を対象にした利用しやすい対策が求められます。休業補償・直接支援の実施とともに、官公需の発注比率を大幅に引き上げ、保育所の建設など生活密着型の公共事業を進めて中小企業の仕事を増やす必要があります。
 何より鳩山政権には、巨額のため込み(内部留保)を温存して国民に犠牲を強いる大企業に、どう社会的責任を果たさせるかという観点がまったく見られません。
 大手製造業は「エコカー」「エコポイント」などによる増産を再び非正規雇用でまかない、残酷な労働者の「使い捨て」を繰り返そうとしています。トヨタが年末に部品価格の3割引き下げを要請したように、下請け中小企業に一方的にコスト削減を押し付ける動きが続いています。
 大企業に社会的責任を果たさせること、社会保障の拡充への転換をすること。内需主導の日本経済を実現するための戦略が必要ではないでしょうか。
 

▲ このページの先頭にもどる

トップページに戻る