市議団だより−議会&市政の報告

【12.10.01】9月議会が閉会。根本市議が最終討論で、主な議案の問題点を指摘

   10月1日、9月市議会は最終日。市長から提出された議案について、日本共産党豊田市議団としての「討論」を根本みはる市議が行いました。
 以下、「討論」内容をお伝えします。

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 私は、日本共産党豊田市議団を代表して、議案および承認議案について、討論を行います。
 まず、議案92号基金条例の一部を改正する条例について、賛成の立場で討論いたします。
議案は、都市整備公社の精算にともなって処分すべき財産を都心整備基金に積み増しする事を趣旨としており、その点では妥当な判断である事を認めます。
 同時に、都心整備基金は、資金運用基金として位置付けられています。そこで、日本共産党市議団として基金による土地購入の問題について質問しました。すでに購入した土地の時価の評価をお聞きしましたが、答弁では、購入した時の簿価で買い戻す仕組みになっているのでわからないという事でありました。土地の価格が下落している中で、簿価と時価の差が大きく生じている事が問題となっています。現在、購入して未利用地となっている土地の時価の評価を行う必要性を指摘しておきたいと思います。
 議案94号有料駐車場条例の一部を改正について賛成の立場で討論を行います。
この議案は、小原地区の四季桜の時期に合わせて必要な駐車場を確保するための措置であり、観光振興の点から賛成をするものであります。今後は、環境問題との整合性をはかるためにも、パークアンド・バスライドの拡大を含めて検討をする必要性を指摘しておきたいと思います。
 議案103号工事請負契約の締結(豊田市立寿恵野こども園園舎改築工事)について、賛成の立場で討論を行います。委員会では、園舎改築による定員の拡大が待機児対策の柱とされている点を確認しました。しかし、保育ママ事業の拡大や認定こども園を今後の待機児対策で検討する考えが示された点に対し、待機児解消は、市町村の責任による認可保育園での定員拡大を基本とする方針を堅持すべきことを申し上げ、討論と致します。
 続いて、1つの補正予算関係議案と5つの承認議案に、反対の立場で討論を行います。まず、議案98号平成24年度豊田市一般会計補正予算について。
 低炭素社会モデル地区事業は、地球温暖化対策を名目としながら、実質的には、次世代自動車とスマートハウスのPRを行い、特定企業のためという側面がきわめて強い事業となっております。この全体計画にかかわる費用に対しては、税金の負担をして推進することに疑問があり、反対討論と致します。
 次に、承認3号平成23年度豊田市一般会計決算について討論を行います。まず、歳入について申し上げます。
 引き続く深刻な不況の中、23年度の市民の所得や企業の業績はどうであったか。
歳入のうち、個人市民税では、その落ち込みは顕著であります。課税ベースから計算した市民の平均所得の推移を日本共産党市議団として、質問を通じて確認したところ、平成20年度の395万円をピークに毎年下がり続け、23年度には350万円となり、実に45万円もの平均所得の減少となっています。
 法人市民税では、事業所規模別でみると、一番小さい規模の1号法人(資本金1千万円以下、従業員50人以下)は、事業所の数のうえでは全体の7割以上を占めておりますが、利益が出ずに「赤字」であり、税金(法人税割)が納税できなかった事業所が、実に、78.9%を占めており、零細企業ほど、営業状況の悪化は深刻であります。
 歳入のうち、電源立地地域対策交付金について、討論を行います。
 このうち、原子力発電所の使用済み核燃料の埋め立て処分の研究所にかかわる交付金は2399万円でありました。しかも、市から申請して交付されたものであります。明らかに危険な交付金であると言わざるを得ません。すべて返納すべきことを強く申し上げたいと思います。
次に、歳出について申し上げます。
 市民の所得が大きく減り、中小零細業者の8割が赤字で苦しんでいるという状況の中、本来ならば、税金により市民のフトコロと業者の営業を直接あたためて対策をとらなければならないと考えますが、市が重点に置いたのは大企業への支援でありました。中でも、特徴的な支出として、産業立地奨励条例にもとづく交付金があげられます。その総額は、23年度、39事業所に対して6億4346万円が交付されておりますが、そのうち79%にあたる5億761万円余はわずか9社の大企業に払われたものであります。依然として、大企業に偏った歳出方針は問題であることを指摘し、中小企業の振興策を強化すべきことを申し上げます。
 23年度は、東日本大震災の教訓を生かした対策がとられるべきでありました。指摘すべき点として、地震災害対策計画は改定後も、以前と変わらない地震想定規模の計画書であります。「東海・東南海・南海」の3連動地震が指摘されている中、早急な見直しと想定規模に合わせた対策の拡充が必要であります。また、学校の耐震化については、天井や照明器具などの非構造部材の耐震対策の遅れは問題であります。名古屋市は100パーセント実施している状況で、安全性の確保・防災機能向上の点で早急に対策が必要と考えます。
 豊田スタジアムの維持管理費では、使用料などの収入を差し引きした、市の持ち出し分の「赤字」は6億円余となっています。当初の4億円余という金額でも巨額であったのに、23年度は増額していたことになります。今後、老朽化にともなう維持管理費がさらに増大する事が危惧されます。まさに、負の遺産であり、対策の必要性を訴えるものです。
 駅前通り北地区市街地再開発事業にかかわっては、事業計画書策定のための予算323万円が執行されました。現在、策定が進行中である事業計画書の内容を議会に公表するように求めたのに対し、市は、地区内権利者がすすめる民間事業であることをもって公開を拒んでおります。しかし、質疑により、準備組合への策定費の補助は補助率10/10であることが示されました。さらに、地区内権利者のうち、1500㎡の土地は市の土地であり、市は最大の地権者という事になります。市の土地という事は市民の土地という事であり、市民と議会に対して計画書の途中経過を示して、意見を聞くのが当然のことであります。現在の再開発事業の進め方は極めて不正常であることを指摘したいと思います。
 環境モデル都市アクションプランの進捗の評価について。
 CO2排出総量については、執行部は環境省の計算式と内閣官房の示す計算式の2種類の数値を示しており、基準年の1990年比30%削減の達成に向けて、一方の数値ではとても困難にみえるが、他方の数値では達成可能にみえる。これでは、二重基準であって、アクションプランの評価が正しく判断できないことから、問題であることを申し上げておきます。
以上、平成23年度豊田市一般会計決算について、反対すべきであることを申し上げ、討論といたします。
 次に、4つの承認案件について、順次、反対の立場で討論を行います。
 まず、承認4号平成23年度豊田市国民健康保険特別会計決算について、であります。質疑を通じ、23年度、国民健康保険に加入する市民の平均所得の減少傾向を確認しました。企業の倒産やリストラによって離職を余儀なくされた影響であることが明らかになりました。その中で、前年より2032円値上がった保険税は、市民に負担を強いるものであり、反対すべきことを申し上げます。
 承認9号平成23年度豊田市水道水源保全事業特別会計決算について
水道水源保全基金は、下流域の市民がおいしい水という「受益」をうけるため、水道料金で1トン1円の追加「負担」をして、上流域の水源を保全するという趣旨で始められたものであります。ところが、今や、広域になった全市民が負担し、毎年4000万円を越える負担金収入は基金への積み立てがほとんどで、23年度の保全事業を見ても、看板設置と2基の浄化槽補助だけでありました。これらは、一般会計で執行する事が妥当であり、この特別会計の役割は廃止を含めて検討すべきであります。以上の点から反対すべきことを述べ、討論といたします。
 承認11号平成23年度豊田市介護保険事業特別会計決算については、保険あって介護なしと言われる問題点を残したままである点で、
承認14号平成23年度豊田市後期高齢者医療特別会計決算については、政府が廃止すべきと言っていたものを先送りし、保険料の負担増が増大している点で反対すべきことを申し上げたいと思います。
 以上、すべての討論を終わります。

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