市議団だより−議会&市政の報告

【16.06.16】図書館の指定管理・民営化は白紙撤回を!

6月議会 根本みはる市議の一般質問

◆議会の条例改定以前に事業者の公募は問題
 図書館は、住民に親しまれ、住民に役立つ豊かな文化・教育施設として存在する施設であり、過去から未来に渡り継続した系統的な資料の収集、それを役立てる専門職員の存在があるからこそ、資料と職員と業務の継続性を基盤として発展する、市民の施設であります。
 図書館には指定管理がなじまないということから、大津市図書館協議会は「図書館に指定管理者制度の導入はなじまず、市の図書館行政の発展を阻害することになる」としています。太田市長は今年3月の施政方針で、「中央図書館の指定管理導入の準備をおこなう」と表明し、来年29年4月には指定管理にすることを前提に、業者選定のスケジュールまで決められています。市民の財産である図書館の指定管理をあまりに短期間で決めていくことに対し、「市民の意見を聴いていない」と市民から再検討を求める声があがっています。
《問》公立図書館を指定管理にする市の考えは。効率化が目的なのか。
《答》図書館管理課で根幹部分を担うとして指定管理事業者と連携しておこない、サービス向上を第1義的な目的とする。効率化が目的ではない。
 収益を目的にする民間営利企業にも公共サービスを開放するのが、指定管理制度です。図書館で営利企業が利益を出そうとすると、コスト削減、人件費を抑制するしかありません。それでサービスを拡大することにつながるのでしょうか。
◆課題の解決は市直営で
 「指定管理で図書館司書の増員ができる」と市は言います。
《問》市直営で司書の増員・司書の専門性の確保ができないのでしょうか。
《答え》専任での配置は問題が生じ、特別任用職員で司書を増員したが、直営での増員には限界がある。

◆司書は経験と知識の蓄積が必要な専門の職務です。直営だから、その確保と、研修を受けて専門性を高め、継続できるのではないでしょうか。
《問》直営のままでの開館時間の延長の検討は。
《答》延長によって、特任職員などの勤務時間が増え、費用が3千万円かかることから、費用対効果の点からも妥当でない。開館時間の延長と、専門性確保の点から、指定管理が最敵と判断した。
◆図書館協議会でも「指定管理は不安」
 図書館協議会の委員からは、「決定の前に、市民や専門的な知識のある人に意見を聞くなどはしなくてよいの ですか」「一度指定管理者制度を導入して、直営に戻した図書館もあるため不安です」との意見が出ています。
 「ボランティアにも説明会を行ってきた」としていますが、市としても、不安の声を否定できず、図書館管理課に市の職員を置くという方法を取らざるを得ない状況です。
◆指定管理ありきでなく市民の意見を聴くべき
 図書館運営を指定管理に変えるためには、議会で条例改正することが定められています。しかし、今回の指定管理の導入については、議会に条例も出されておらず、議論もされません。
9月の条例改正の前の、7月に事業者の公募を行うというアベコベなやり方です。
 根本市議は「議会軽視も、はなはだしい。指定管理導入は白紙撤回し、市民の声を聴くべき」と、強く求めました。
◇子どもの貧困を救うフードバンクの支援を
 「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が国会の全会一致で成立しました。貧困家庭への経済的支援という点で、「食べること」を支える具体的制度が無い中、その支援となる「フードバンク」が注目されています。
 フードバンクは、行政と連携した生活困窮者への食品支援事業で、自立支援相談窓口と連携し、食品関連企業から、包装破損、賞味期限が迫ったなどの理由で、捨てられる運命の食品の無償提供を受け、生活困窮者を支援する団体、福祉施設などに無償で配布しています。根本市議は、経済的支援の必要な子どもの実態把握の状況を聞き、フードバンクが、支援の必要な子どもたちに広がるように、市として、社会福祉協議会と連携、情報提供の働きかけを求めました。豊田市社会福祉協議会では、事業化に向けた検討が行われていることがわかりました。

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