来年1月 核兵器禁止条約の発効 核兵器「終わりの始まり」

来年1月 核兵器禁止条約の発効 核兵器「終わりの始まり」

日本の条約参加を訴える本村伸子衆院議員(左から4人目)ら。10月25日、名古屋市

豊田原水協 理事長 本村映一レポ
長崎の被爆者として胸躍る思い

 10月25日の未明、国連の発表により核兵器禁止条約の批准国が50に達し、国連の規定により90日後(来年1月22日)に発効が確定した。

 私は長崎市で被爆した一人として心から喜んでいる。長崎では被爆直後、幼い子どもに疫痢(小児性赤痢)が大流行した。私の弟(当時3歳)もそのために命を奪われた。小、中、高の友人の中には、ケロイドを負い、戦後75年たった今も後遺症に苦しんでいる。私はこの問題から社会運動に関わるようになった。

 豊田原水協(豊田地域原水爆禁止協議会)として3年間続けてきたヒバクシャ国際署名(核兵器廃絶のため、条約の1日も早い発効を求める署名)は日本と世界に大きく広がった。豊田市でも毎月、豊田市駅前で署名運動を続け、署名数は約6千筆になった。

 発効を報じたNHKニュースでも、ここまでこぎつけた原動力として社会的運動をあげた。

日本こそ条約発効の先頭に立つべき

 もともと「核兵器禁止条約」が国連で2017年に採択された時、国連加盟国193カ国のうち122カ国の圧倒的多数の賛成で採択された。その前後から米・ロ・中・英・仏の核5大国を先頭に成立を妨害し続けてきた。今でも「批准を取り消せ」と圧力をかけている。

 特に日本政府は「核保有国と非保有国の橋渡し役になる」としてこの条約の成立、発効を妨害している。アメリカの核の傘の下にいることが唯一の安全保障という迷信にはまっている。過去には実際に核兵器が使用される危機が何度もあった。それを振り返るべきだ。広島、長崎で核兵器の被害を体験してきた日本の政府こそ先頭に立つ必要がある。

発効は核保有国の手をしばる

 50カ国でスタートしても、それらの国の領土はもちろん、領空、領海では核兵器を積載した航空機、艦船は通過できない。港、空港も使えなくなる。

 私はこの条約が大きな流れをつくると確信している。

豊田市駅前で署名を呼びかける本村映一理事長(左)と本多のぶひろ理事。2020年3月