愛知県議会に共産党の議席復活で新風ふいた3年間

愛知県議会に共産党の議席復活で新風ふいた3年間

 愛知県議会に12年ぶりの日本共産党県議団が復活して3年。2人の県会議員が県政に新しい風を吹き込みました。

県民の請願13件 → 77件に

 共産党が12年間空白だった県議会は、大型開発最優先、暮らしに冷たい、ゆがんだ「オール与党」議会。県民の声は「門前払い」で議論すらされない議会になっていました。
 その一つが全国で唯一残されていた請願署名への押印義務です。愛知県議会あての請願署名は、住所、氏名のほかに押印が義務付けられ、押印のないものは無効にされていました。そのため請願者が提出した署名の7割が除外されたケースも…。
 共産党県議団は「憲法で保障された請願権を広く保障するため押印は廃止を」と議長に申し入れ、住民と一緒になって運動。16年9月議会で全会一致で廃止が決まりました。
 共産党県議団には「ありがとう」と喜びの手紙が届きました。保育施策の拡充などを求め毎年請願を提出してきた「愛知保育団体連絡協議会」の石原正章事務局次長は、「街頭などで署名を呼びかけると、押印までは難しく、廃止になって本当によかった」と言います。党議席の復活が「県民の声が届かない議会に風穴をあけた。本来の民主主義に近づけた」と語ります。

県政の転換せまる

 日本共産党議員が県議会に戻ったことで、請願数が一気に増えました。空白だった14年までの4年間の請願件数はたった13件。それが15年以降は3年間で77件へと飛躍しました。
 今では議会で請願者が口頭陳情する光景も当たり前になりました。毎議会の最終日には、本会議場の一番前の席で、請願に賛成して起立する日本共産党のふたりの県議の姿が。傍聴者から「頼もしい」の声がかかりました。
 共産党県議団の復活は、大企業優遇・大型開発優先の大村秀章県政に厳しいチェックの目をいれました。不要で採算の見込みもない中部国際空港の2本目滑走路やリニア関連事業、国際展示場建設とカジノ誘致などに熱中する県政をタブーなく鋭く追及。豊富な予算の使い道を転換し、全国最低クラスの教育や福祉予算を拡充するよう求めてきました。
 県営名古屋空港と航空自衛隊小牧基地の一体化、隣接する三菱重工小牧南工場のステルス戦闘機F35整備拠点化の支援など「海外で戦争する国」へ加担する県政の転換も迫ってきました。
 それまでの「オール与党」議会は、議論もせずに知事の提案になんでも賛成でした。ところが共産党県議団が毎議会、予算への反対討論に立つため、他党の議員も賛成討論に立つようになりました。議論が活発化し、マスコミ関係者から「議会らしくなった」との声がかかりました。

多くの願い実現

 共産党県議団は、老朽化した県営住宅を調査。実態と住民の声を議会につきつけ修繕費の大幅アップを引き出しました。重度の難聴の子どもに限定されていた補聴器購入助成は、中軽度への子どもたちにも拡充。お母さんたちから喜びの声が寄せられました。働くルールのリーフレット増刷や労働相談窓口を知らせるポスターのコンビニ掲示などを実現しました。
 共産党県議団が提案した最低賃金の引き上げを国に求める意見書は全会一致で採択されました。

現場の声を大切にして

 共産党の国会議員、地方議員とも連携し、大きな力を発揮しています。
 17年の夏に豊橋市で発生した竜巻被害の問題では、現地の地方議員団の調査にもとづくと、被害件数が少ないために国の支援を受けられず、県には支援制度がないことが分かりました。県議会で他県の支援制度も示して「1世帯からでも支援する制度を」と求めました。県当局から「検討します」の答弁を引き出し、1世帯から支援を受けられる被災者支援制度の予算化を実現しました。
 マンモス化する特別支援学校の問題では、エアコンがなく冬はマフラー、夏は保冷剤をつけて生徒が授業を受けている実態を共産党県議団が調査。切実な声を突きつけて繰り返し質問しました。もとむら伸子衆院議員も国会で取り上げ、当時の文部科学大臣も一緒に現地を訪問しました。他党県議も議会で質問し大村知事が「スピードをあげて行いたい」と答弁。予算化が実現し、県下の特別支援学校の1000の普通教室へのエアコン設置に100年かかるところ、3年で実現することになったのです。

豊田市から日本共産党県議を

 2019年4月の県議選では、豊田市選挙区から日本共産党の大村よしのり氏が県議会に挑戦します。大村氏は、5期20年の豊田市議の経験を生かし、県議会の改革をさらにすすめるように決意に燃えています。

2017年11月、非核・平和を求める愛知県への要請に参加する共産党の、わしの県議(左)と、しもおく県議