行政視察7月レポ 森林資源活用 学校給食無料化

行政視察7月レポ 森林資源活用 学校給食無料化

 日本共産党豊田・みよし市議団(大村よしのり、根本みはる・豊田市議。牧田みつお・みよし市議)は7月3日~5日、行政視察を行いました。その内容を、大村よしのり市議が報告します。

森林資源活用 地域を活性化
国内最大級の木質バイオマス発電所 岡山県真庭市

 7月3日、岡山県真庭市を訪問。真庭市では2005年の9町村合併後、市域の8割を占める森林地帯を生かして地域の活性化に取り組んでいます。その中で、とくに2015年4月に正式稼働された、国内最大級となる木質バイオマス発電所の取組は、広大な森林地域をかかえる豊田市としても、とても参考になるものでした。

 林業従事者は243人(2015年)。平均年齢が40代と若いのにも驚きました。市内には30社の製材所があり、製材品の出荷量は年12万㎥。西日本有数の量です。製材所から出る木くず・廃材は年に13万2千トンにもなります。その96%が利用されているという事でした。市内には、木くずを粉砕・圧縮し成型したペレットをつくるための工場があり、つくられたペレットは、健康増進施設の温水プールや床暖房、市の出先機関の冷暖房、市立小学校のペレットストーブ、農業用ハウスの温風ボイラーの燃料として供給されています。

 木質バイオマス発電は、未利用木材や端材を利用したチップや樹皮などをボイラーで燃やし、蒸気でタービンを回して発電しています。年間出力は7万9MWhあります。これは一般家庭2万2千世帯分で、真庭市の総世帯数(約1万8千世帯)を大きく上回ります。これを売電し、地域に資金を還元する。売電収入は年間21億円の目標を3年連続でクリアしました。市は、第3セクターの「真庭バイオマス発電所」に3千万円出資していますが、出資配当が年間3千万円あり、また、昨年度は発電事業から1億円の寄付が市に寄せられたそうです。

 雇用への影響を質問しますと、発電所への直接雇用が15人(全員地元)、波及効果を合わせると50人あまりの新規雇用を作り出したとの事です。

 中山間地域での新しい産業を興す希望を見た思いがしました。

木質バイオマス発電所の前で。左から牧田、大村、根本

 

「子育て応援宣言」で人口の社会増
学校給食無料化事業 兵庫県相生市

 7月4日、兵庫県相生市を訪問。かつて、石川島播磨重工業の企業城下町として栄えました。しかし、主要産業であった造船が整理縮小されるとともに、昭和50年に4万2千人だった人口が3万人に減少、特に年少人口の減少率が大きく、市の重要課題として位置付けて対策に取り組んでいます。

 平成23年に「子育て応援宣言」を行い、11の「子育て・教育・定住促進」政策を打ち出し、その中心施策として学校給食無料化事業を行っています。

 幼稚園(6園)、小学校(7校)、中学校(3校)の児童生徒、2481人分(平成29年度)の給食材料費(保護者負担分の給食代)は、市が負担して無料で提供しています。ちなみに、保育料軽減事業も行っており、市立幼稚園・保育園の保育料と給食費も無料です。

 給食の在り方について質問すると、全て「自校方式」でつくっているとの事でした。また、食育を位置付けて取り組んでおり、「無料だからおいしくない給食」などと言われない努力をしているとの事で、農林水産省の「地産地消給食等メニューコンテスト」で近畿農政局長賞を受けました(今年2月)。

 これらの施策が功を奏して、人口の社会増減の幅が半減し、平成27年度92人、28年度は33人の社会増に転じています。

 視察に際して、相生市議会の議長と副議長があいさつ。施策開始時には、「給食費は保護者が負担すべきではないか」など、様々な意見が市民から寄せられたが、市長のリーダーシップで実施したとの説明でした。ちなみに、副議長は日本共産党議員で、視察の最後まで同席して、一緒に説明をしていただきました。学校給食無料化の政策へ、とても参考になりました。

相生市役所の前で。非核平和都市宣言の石碑がありました